銅屋根クロニクル

No.83

免振改修なった「なさけありまの水天宮」
水天宮(東京)

(1/1) ルーフネット 森田喜晴

祭神として、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、安徳天皇、建礼門院、二位の尼(平時子)を祀るが、水と子供を守護し、水難除け、漁業、海運、農業、水商売、とりわけ安産、子授け、子育てについての神徳・御利益が信仰の対象である。

全国27社の「水天宮」の総本宮は久留米市の水天宮である。東京の水天宮(人形町)では毎月の5日が縁日であることから例大祭が5月5日となった。また犬のお産が軽いことにちなみ、戌の日は安産祈願の人で賑わう。

もともと水天宮は、壇ノ浦の戦いに敗れた平家の女官が、筑後川の河畔に落ち延び、一門とともに入水した安徳天皇・建礼門院・二位の尼の霊を小さな祠に祀ったのが創めとされる。

一方、人形町の水天宮は文政元年(1818)、久留米藩九代藩主有馬頼徳が、参勤交代の折に江戸でも水天宮をお参りできるように、赤羽根橋にあった上屋敷内へ国元から分霊したことによる。以後、明治4年には青山、翌5年には日本橋蛎殻町へと移転、関東大震災をはじめ数多の災害を乗り越え、現在に至っている。

水天宮

平成28年4月より江戸鎮座200年記念事業として、約三年をかけて社殿と参集殿の御造替が行われた。新しい社殿の参道は近代的なビルの入り口である。さらに境内地一面には、最新技術の免震構造を取り入れた。社殿はじめ境内全体が「免震装置」で支えられていており、大地震の時には、約60㎝程度、建物が水平方向に動くことを想定していて、1階通路脇には、建物が動くスペースとして、約60㎝程度の溝形状の植栽帯が配置されている。

平成28年4月より江戸鎮座200年記念事業として、約三年をかけて社殿と参集殿の御造替が行われた。

祭神よりも人気の高い子宝犬。

祭神よりも人気の高い子宝犬。

神社の解説に有馬家の温情と安産のご利益に関する記述がある。曰く、「情け有馬の水天宮」。

久留米藩有馬家上屋敷内に分祀し、祀られていた水天宮は、人々の信仰が篤く、塀越しにお賽銭を投げる人が後を絶たなかった。そこで藩主は毎月5日に限って、屋敷の門を開き、人々のお参りを許したという。当時参拝した妊婦が、鈴之緒のお下がりを頂いて腹帯とし、祈願したところ、ことのほか安産だったことから、このご利益が広まった。それで江戸っ子たちは、有馬家と「情け深い」ことを掛けて、「なさけありまの水天宮」という洒落が流行語になった。

アクセス:
〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2丁目4−1
東京メトロ半蔵門線 水天宮前駅(5番出口)より徒歩1分

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