金属屋根工事技士

金属屋根工事技士

屋根は金属屋根工事技士がつくり、守ります。

●金属屋根工事の専門技術者です

今年度の講習会では、『鋼板製外壁構法標準』(SSW20111)の内容について解説します。また、本書の作成に併せて計算ソフト『屋根を調べる』の風圧力算定ソフトを外壁の正圧計算ができるように改訂しており、本ソフトを利用した鋼板製外壁の強度計算の方法も説明します。受講者には『屋根を調べる』を配布します。

金属屋根工事の計画立案から施工管理まで担当する専門技術者の一例として、(一社)日本金属屋根協会では、昭和61年度より「金属屋根工事技士」の育成・教育を行っている。
-『建築工事監理指針』平成16年度版・第13章屋根及びとい工事-

●20年を超える歴史があります

金属屋根工事技士制度は、台風や豪雪によって金属屋根に生じた様々な被害の反省の上に立って制定されたものです。特に昭和50年の台風13号は最大瞬間風速67.8m/秒を記録した非常に大きな台風で八丈島を中心に金属屋根などに大きな被害をもたらしました。
金属屋根業界では、このような被害を未然に防止するために建設省(現:国土交通省)の指導のもとに業界共通の設計・施工規準として「鋼板製屋根構法標準」を昭和52年に制定しました。
当協会では、この規準をもとに設計・施工管理に関する教育プログラムを作成し、大型建築物の金属屋根の施工管理者を育成するために「金属屋根施工管理士制度」を昭和54年に発足させました。
その後、建設省の「長尺金属屋根工事に関する知識及び技術の審査・証明事業認定規程」(昭和61年4月18日建設省告示第986号)に基づき、同年5月1日付で建設大臣が認定する「金属屋根工事技士技術審査」制度となりました。
この建設大臣による認定は、平成12年の「行政改革大綱」により、当協会などの全ての公益法人が国からの委託等を受けて実施している認定事業に対する国の関与を廃止することが決められたことにより、当協会が独自に運営する資格制度となっています。

●金属屋根工事技士の仕事

金属屋根工事技士は、豊富な専門知識と経験を活かして自主的な施工管理体制の要となる資格者です。金属屋根工事を計画段階から完成まで確実に実行し、安全で美しい屋根を作り上げるうえで中心的な役割を担っています。
当協会としても施工管理の具体的なツールとして「金属屋根工事の施工チェックリスト」、「風と金属屋根」、「屋根改修工事の手引き」、「素材からみる金属屋根と外壁」、「計算ソフト・屋根を調べる」などを作成し、金属屋根工事技士の役割を支援し、より高品質な金属屋根づくりをめざしています。

●資格は3年ごとに更新されます

金属屋根工事技士は、3年ごとに講習会を受講して資格を更新しています。これは講習会を通じて金属屋根の最新技術や金属屋根工事に関わる専門知識を習得することにより、施工管理者としての資質を向上させることを目的としています。

●技術審査の内容は

金属屋根工事技士技術審査は毎年1回、全国の主要都市で開催され、当協会の会員以外の希望者も受験できるオープンな制度です。受験資格には金属屋根工事に関する一定の実務経験年数が必要となります。

学  歴 必要な実務経験
大学卒業者 2年6ヵ月以上(1年6ヶ月以上)
短大・高専卒業者 3年6ヵ月以上(2年6ヶ月以上)
高校卒業者 5年6ヵ月以上(3年6ヶ月以上)
その他の者 8年以上
(  )は指定学科(建築など)卒業者

審査内容は、建築全般に関する基本的な事項に関する問題(基本知識)、金属屋根に関する専門的な事項についての問題(専門知識)及び記述式問題に分かれています。基本知識と専門知識は4肢択一の選択問題です。

(1) 基本知識

金属屋根に関係する建設業法、建築基準法などの法規に関する問題、建築構造などに関する一般的な知識に関する問題、金属屋根を含めた屋根構造全体に関わる問題などが合計20問出題されます。

(2) 専門知識

金属屋根の施工計画、材料、機械設備、運搬・養生、構法と施工、品質・安全管理など専門分野に関する問題が40問出題されます。

(3) 記述式問題

受験者の経験に基づく問題解決の能力や工事管理に関する各種の報告書の作成能力などを判断する問題です。実際に経験した工事で生じた問題点などへの対応とその結果についての判断を記述します。

(5) 合否の判定

合否の判定は当協会に設けられた「審査委員会」で行います。審査委員会は学識経験者、設計・建設業界関係者、業界関係者により構成され、中立的な立場から合否の判定を行っています。

分   野 出題数 配 点
基 本 知 識 法   規 4問 20点
建築一般 8問
屋根構法 8問
小計 20問
専 門 知 識 施工計画 6問 40点
材   料 7問
機械設備 6問
輸送・保管 5問
施工・関連工事 10問
品質・安全管理 6問
小計 40問
合計 60問 60点
記述式問題 20点
総点数 80点

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